「大地に根を下ろす」という言葉がある。
逆に、と、言って良いのかどうかわからないが、「根無し草」という言葉がある。
「根無し草」ほどではないが、種や胞子を次の豊かな土壌へと飛ばす植物もある。

私は生まれた町内を離れたことがない。
親類も雨後の竹の子のように存在する。
ということは、根を下ろしつづけている類だろう。

根を下ろし、根を張るには、それなりに近隣の人々と良い関係を育てていく必要がある。
そこには、裏も表も、損も得もない(逆の方も・・・たまにはいるが・・)。

思い想われ、傷つき傷つけられ、と表現したらよいのであろうか。
そこで多くのことを学んでいく。

時には、胞子を飛ばしながら暮らす類になってみたいと思うことがある。
良い環境のみを求める。
だれかが作ったベストな環境を選び身を置く。
自分が労せずに暮らす・・・。
その環境をチョイスしていくことに神経を集中させる。

たとえるなら、ヤドリギ。

ヤドリギは落葉広葉樹に寄生し、養分を吸って生きていく低木である。
一見優雅に見える。
だが『ヤドリギの女』というドラマがあったが、幸せではない女性を表現していた。
なぜなら、自分の口を潤すことに神経を集中させているため、
誰かに慕われる、頼られるという充実感はない。
だから不幸な役柄だったのだ。

女であるならば、基本的に母性を持ち合わせているはずである。
だが、ヤドリギタイプの女性は母性が欠如している。

周囲を見回してみよう。
すると、大成した男性のパートナーには、面倒見の良い、精神のどっしりとした女性が多い。
パートナーにエネルギーを注ぎ育てることで、多くの充実感と幸せを感じるタイプ、
つまり、母性が豊かなのである。

さて・・・

最近は、「ちょっと笑顔をしたら、買ってくれたのぉ。得しちゃったわぁ・・・」
と、よろこぶ女性が増えてきた。
つまり・・・ヤドリギ・・周囲のものや、大切なパートナーを干からびさせるタイプである。

幸せ捜しも、根無し草の精神が基本にあると、
不幸という結果が待ち受けているような気がする。

パンドラの箱を片手に紅葉かな
 
とも子

ゼウスがあらゆる災いを封じ込めたパンドラの箱。
誘惑にかられ開けてはいけない。

今まさに紅葉の季節なのだから。




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