星空には忘れられない情景が多い。

戦後間もなく大宮駅東口で行われた野外映画会の
空には満天の星がまたたいていた。

集まったのは、大人数人と子どもが30名ほどだったろうか。
夏の風に波打つ白い布のスクリーンに映し出されたのは、
原子爆弾を投下され瓦礫と化した都市や死傷した人々であった。





大人たちは、戦争に参加することの空しさを、
日本の将来を背負う子どもたちの記憶にしっかりと
刻み付けておきたかったのだろう。

しばらくの間日本は「永遠に戦争を放棄した国」であるということを
誇りにしていたような記憶がある。

学校で「日本は永久中立国なんだ」と、子どもながら誇りにしていた。

だが、いつからなのだろう。
「戦争の記憶」が薄れはじめたのは。

悲しい出来事を忘れるということ・・・
それは神様が人間に与えた贈り物だというのだが・・・


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