山田とも子のつぶやき=さいたま模様

山田とも子のつぶやき=さいたま模様

今年も残す日々が少なくなってきた。

瞬く間に・・・という言葉があるが
まさにそのとおり時間が過ぎていく。

過ぎ行く時間が早くて、良いこともある。
楽しかった場面を、昨日のことのように
思い出せるからである。


私の場合、うれしいことに、記憶を少しずつたどって行くと
断片的だが、2歳くらいまでの場面が
脳裏に鮮明に浮かび上がってくる。

たいていは、父と母との、場面であるが、
三越や、白木屋、新橋演舞場やオープンした
日生劇場など
東京に
連れて行ってくれたのは、
20歳上の兄であった。

半世紀以上も経ってしまったが、
今でもはっきりと覚えている。

母は8人の子どもをもった幸せなひとであるが、
晩年の母の話題は、自分が子どもであったころの話が
ほとんどであった。

私は「ふーん」といいながら聞いていたのだが、
母は実に幸せそうであった。

私も最近、思い出す、というか思いたいことというと、
母と同じように
子ども時代から青春時代のことである。
その頃が一番幸せだったからなのか。

音楽を聴いているとき
歩いているとき

記憶をたどるのである。





写真:1950年 尊敬する両親である山ア京蔵山アとく
後列右より兄の山ア嘉一・・・向かって左が私。7人の兄姉とともに。
撮影:タクワ写真館

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