十代は映画観賞の日々であった・・・
と言っても、洋画が主であったが、
その私にとり、
不思議というより神秘的に存在していた都市がある。

カサブランカ、リスボン、モロッコ、イスタンブールなどである。

例えば
ローマであるとか、パリ、ロンドンなどは、大雑把であるが
頭の中に地図や歴史や諸国との関りが浮かんでくる。
14~5歳の年齢層には解りやすい国なのである。

だが、カサブランカ、リスボンなどが映画に登場した場合
私の知識では解読が難しい。
何故あのような富豪や知識人がそこにいるのか・・?
解らないのである。

その為、私の中では長いあいだロマンと共に怪しげな都市であった。

カサブランカ・・・
という名前だけで、人生の着地点の無い都市、ドラマチックな街だったのである。


この度私は、再び、三度と映画「カサブランカ」を観た。
何故、私の中で、それらの都市が神秘的であると、決着したのか?
調べなくてはならない。

そうして、その結果、

第2次世界大戦下の1941年。
ドイツの侵略がひたひたと迫る、フランス領モロッコのカサブランカから、
中立国であるポルトガルの首都、リスボンを経由し
アメリカへの亡命を図る人々・・・

だがら、そこには様々なドラマが生まれたのである。

なるほど、と私の知識の無さを知ったのです。

当時10代の半ばだった私には戦争に絡んでいた都市への知識が不足していた。
と言うより、無かったのである。
そのことが、
カサブランカ、リスボン、モロッコ、等を、
謎めいた都市にしていたのである。

しかし、それもまた良しとしよう。

イメージを膨らませてきたこともまた、楽しい。

白旗も赤旗も上げない
八方美人は神秘的!
あの人の事は・・・許そうなどと、
頷いているているこの頃である。

それにしても
ハンフリー・ボガードは粋である。

2018.10.23

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  「さいたま模様」の編集者山田とも子が
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