テレビのリモコンをパタパタと押していたところ

あてどなくテレビの画面を切り替える私の耳に、
チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番変ロ短調 Op23 第1楽章が飛び込んできた。
力強い曲である。

そして、ベートーヴェン交響曲第5番の運命のように
耳にした誰もが「フムフム」と頷く曲である。

ということで、私はリモコンを片手にしたまま、映画の結末迄画面を見つめることになった。


チャイコフスキー ピアノ協奏曲 は俳優の高倉健さんが静かなる憤怒を
胸にした時や重い決断したときにバックミュージックとして使われていた。
つまり、巧みな選曲が無口な高倉健さんの静かなる演技をさらに盛り上げていたのである。


解釈は人それぞれそ自由なので強制は出来ないが、。
歌詞がないクラッシック等は受け手の知識、経験、感性、想像力により
情景等が変わってくる。



私の場合、行間に自分の思いや結論を詳細に挿入している歌詞は苦手である。
作詞家の思いが溢れすぎ、自分の想像力が入り込む隙が無いのである。

私が、短歌より、俳句が好きな理由はそこにある。



令和3年3月