山田とも子
地球の温暖化により生きる環境を失いつつある生物の
ドキュメンタリ−映画「earth」を観た。

カメラは、命をつなぐために大地を移動する動物たちを、
遥か上空からアリの群れが行進するように、
ときには、動物の息遣いが感じられるほど間近に、
ダイナミックにとらえていた。

「カギになり−竿になり」という渡り鳥を表現した歌詞がある。.
このドキュメンタリ−にも渡り鳥が登場した。
ヒマラヤ山脈を越えインドを目指す渡り鳥(アネハ鶴)である。

私の場合、渡り鳥で知るのは、30羽ほどの鳥で構成された「カギ形」である。

しかし、アネハ鶴のヒマラヤ越えには国家を感じさせられた。
なぜなら・・その30羽ほどの「カギ形」が、
数えきれないほど集まり・・・大三角形を形成したのである。

ヒマラヤの最高峰8850メートルの空を覆う大三角形。
そのリーダーをつとめるのは大三角の先頭の一羽。

その一羽のリーダーを信頼し、従うアネハヅルの大群を想像していただきたい。
アネハ鶴のリーダーはと言うと、
すべての仲間の命をつなぐために慎重に風を読むのである。

慎重に風を読んでいた様子のリーダーが羽ばたいた。
数羽が追った。
その数羽を追う一群!
越えるのか!
私の胸は高鳴る。

だが、
中腹まで羽ばたいたリーダーは、翼を翻し地上下り立った。
そして何事もなかったように
彼の指示を待つ仲間の中に入った。



その姿は、冷静で知的で鳥には見えない。

彼は数日その行動を繰り返した。
ある日、神が下りて来たかの如く羽ばたいた。
そして。、
世界最高峰のヒマラヤを越えた。

一族を率いて・・・・・・・。

その光景は私の涙腺を緩ませた。

それほど感動的であった。私は たった一羽のリーダーと、
彼を信頼し飛び立った大三角形に心から祝福していた。

その後、ため息とともに思った。
トップに素晴らしいリーダーがいるアネハヅルは羨ましい。
いや、素晴らしいリーダーを選んだアネハツルが素晴らしいのだ!

皆を従わせる力とは。群れを導く能力とは・・・
年齢ではない。
経験でもない。
順番でもない。
お金でもない。
弁舌でもない。
ハンサムでもない。
毛色でもない。
もちろん私利私欲ではない。

アネハ鶴のリーダーには・・・
「仲間すべての命をつながなければならない」
という使命感がみなぎっていた。

群れを路頭に迷わせない知識、洞察力を備えていた。
先頭で風を受け傷つく勇気を持っていた。

日本もアネハ鶴のようなリーダを頭にいただくことができたら・・
いや立派な頭を選べない私たちがいけないのだ。
私たちは、真のリーダーを選ぶ能力を、
遠い昔に失ってしまったのだ・・・。

それは、もしかすると・・・


私達人間のリーダーの面構えはというと、
鉄仮面のように傷つかず、
へらへらと理屈を述べる術には長けている。
心苦しくなり、涙を流すことがあるのだろうか。



「行く春や鳥啼き魚の目は泪」
と言う芭蕉の句がある。
魚も目に涙を光らせているように思われる、
と詠んでいる。
日本のリーダーもたまには、泪目をしているように見えるかな?
そう思われるよう真剣に取り組まないと、魚以下になります。

国会での発言は、国会議員同志との勝ち負けではなく、
私達国民への言葉だという事を忘れないように。。


アネハヅルを見習っていただきたい。


 流星の傷 あらわなる まぶしさよ・・・自詠句
流星の輝きは美しい。だがそれは、傷ついた自身の割れ目から流れ落ちる光なのだ。



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大宮公園のギャラリーで書道と絵画の3人展をすることになりました・・・

私はかな書道作品を。今まで展覧会などに出してきた作品を展示するだけのことなのですが。
5月20日から6月8日までです。よろしければご覧下さい。
第二公園ギャラリーです。

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